新算定表|離婚に強い弁護士 算定表(養育費・婚姻費用)が変更され新しい算定表が公表されました~離婚・養育費・婚姻費用の問題に積極対応

新算定表|離婚に強い弁護士 算定表(養育費・婚姻費用)が変更され新しい算定表が公表されました~離婚・養育費・婚姻費用の問題に積極対応

【新算定表】離婚・別居に際して養育費・婚姻費用(婚費)を家庭裁判所において算定する基礎となる「算定表」が変更され新しい算定表(=新算定表)が最高裁判所から公表されました。

正確には,「改訂標準算定方式・算定表」ですが,以下便宜的に新算定表(又は,その基礎となる考え方)等と表記します。

あすか総合法律事務所は,離婚・親権・慰謝料・財産分与・男女問題を含め養育費・婚姻費用(婚費)の問題に積極対応しています。【弁護士へのご依頼を検討中ならご相談ください:初回100分無料相談受付中】

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【養育費・婚姻費用(婚費)】

離婚や別居時の生活等の継続的な経済的給付に関して家庭裁判所における調停・審判・裁判において養育費又は婚姻費用(婚費)を定め支払いがなされる・求めることが通常です。

※養育費とは,離婚後に子の養育・生活を維持するために必要な費用として親権者に支払われるものです。

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婚姻費用(婚費)とは,婚姻共同生活を維持し支えるための費用です。配偶者の収入・財産に応じた生活水準を維持するために必要とする生計費・交際費・医療費等の日常的な支出及び子のための養育費・学費等を含む,婚姻生活のための費用のことです。

これまで,家庭裁判所で養育費又は婚姻費用(婚費)の算定をする際にその基本的な額(たたき台としての基準額のようなもの)として活用されている資料(標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式:簡易迅速な養育費等の算定を目指して―養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案―」)(=いわゆる「算定表」(以下「旧算定表」))は,「有志の裁判官ら」(東京・大阪養育費等研究会)が2003年4月に法律雑誌((判例タイムズ1111号、判例タイムズ1114号))に公表したものです。

簡易算定方式によって算定することとし,それを分かりやすい養育費(9個)と婚姻費用(10個)の表(マス目状のもの)にした簡易算定表が旧算定表です。

 

正確には,旧算定表の基礎となる考え方(標準的算定方式)があり,それは当事者の収入を根幹として基礎収入割合,生活費指数を用いて算出します。

(旧)標準算定方式の考え方(大阪家庭裁判所の説明)

「例外的に、権利者の方が高収入である場合には、子が権利者と同居している場合の子の生活費を基準とすることが考えられますが、この場合、権利者の収入が高くなればなるほど、義務者の養育費分担義務が増加していくことになって、義務者にとって極めて酷な状況が生じてしまいます。そこで権利者の方が高収入であるという例外的な場合については、権利者と義務者とが義務者の収入額と同一である場合に義務者が支払うべき費用をもって、養育費の限度額とすることにしました。」

その基本的枠組みとして「基礎収入」,「公租公課」(所得税,住民税,社会保険料等),「職業費」(被服費,交通・通信費,書籍費,諸雑費,交際費等),「特別経費」(住居関係費,保健医療費等)という考え方・算定項目が存在します。

しかし,それらの金額,係数(数値)は旧算定表の作成時から乖離している,実態と合っていない,低額すぎる等の批判がなされていました。

 

⇒約15年の期間を経てそれを改めたものが今回「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告」として公表された新算定表とその基礎となる考え方(説明を含む)です。

 

「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」では,「「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」をテーマに,東京及び大阪の家庭裁判所所属(当時)の裁判官を研究員とする司法研究が行われてきましたが,その研究報告が令和元年12月23日に公表されました。
この研究報告では,現在,家庭裁判所において養育費又は婚姻費用の算定をする際に活用されている資料(標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式・算定表)の考え方を踏襲しつつ,基礎となる統計資料を更新するなどした標準算定方式・算定表(令和元年版)が提案されています。」として,「研究報告の概要」及び「養育費・婚姻費用算定表について(説明)」と7つの算定表のファイスとしてHP上に公表されています。

 

<参考・基礎知識>

養育費や婚姻費用の法的根拠は,①子の監護費用(その他子の監護に必要な事項)(民法766条1項),②直系血族に対する扶養義務(民法第877条第1項)に加えて③夫婦間の扶助義務(民法752条),④子の監護費用(その他子の監護に必要な事項)(民法766条1項),⑤監護及び教育の権利義務(民法820条)の全部又は一部と解されています。

しかし,養育費と婚姻費用の算定方法については法令上の規定(明文)はありません。

 実務的には,家庭裁判所の実務では旧算定表を基礎(基本)としてそれを当該事案の状況に応じて修正することがほとんどとなっています。本来,旧算定表の作成・発表に際して,「あくまで標準的な養育費を簡易迅速に算出することを目的とするものであり、最終的な養育費の額は、各事案の個別的要素をも考慮して定まるものである」旨説明されていました。

 

<基礎知識>

いったん決まった養育費・婚姻費用は未来永劫絶対に変更することが認められないわけではありません。

話合い等を行い双方が合意すれば変更は可能です。

もし相手が変更の合意をなかなかしてくれない場合には,家庭裁判所へ養育費の額を変更(増額又は減額)することを求める調停を申し立て,不成立になれば審判に移行し,裁判官の判断で決定されます。

裁判官が合意をした時に予想できた範囲内の変化ではないなど,「事情の変更(変化)」が認められると判断した場合(例:失業した,再婚し扶養義務者が増える,心身の異常などで支出の増額を余儀なくされる状況となった等)には変更が認められる場合があります。これは支払う側(義務者)にとって増額,受け取る側(権利者)にとって減額という各自に不利になる方向での変更があり得ます。

 

<新算定表に関する注意点・考察等>

 

※問題点Ⅰ

  新算定表が発表される2019年(令和元年)11月12日より前に旧算定表に基づき決まった(場合によっては,審判や裁判で強制力をもって一方的に決められた)養育費や婚姻費用が2019年(令和元年)12月23日以前の支払分(遡って変更されるか)・同日以降の支払分(将来の支払分)について変更されるか(審判等で変更されるか)否かは,決定日の偶然性(2019年(令和元年)11月11日以前に新算定表が発表されることを知らずに(当然一般には(多分,ほとんど全ての裁判官に対しても)秘密宅とされていました)当事者の合意又は裁判官の判断で定められた場合と,最高裁の発表を知って新算定表の発表を敢えて待って合意又は裁判官の判断で決められる場合の「たまたま」の相違)に左右される不公平さと併せて問題は小さくはないと思われます。

もし,旧算定表に基づいて決められた養育費や婚姻費用が,新算定表発表後,変更(増額等)を求める場合に全て変更されることになる(=変更する調停・審判により変更される)のであれば,膨大な件数がその対象になるため大混乱を来たす可能性が高いことは明らかでしょう。

しかし、旧算定表が発表された後に、旧算定表の存在を知らず旧算定表より高額で決定された後に収入に変化がないものの生活が苦しいとして減額の申し立てた事案で減額が求められた事案も存在しており、一刀両断に増減額を認めないとすることも問題ではないかとも解され得ます。

 

⇒「事情変更について」として,「本研究の発表は,養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない。」と発表されています。したがって,過去にきめられた額を,今回の公表内容に基づいて当然に変更されるべきではないと表明しているものと推測されます。

ただし,前提事実が変わった場合(実際の当事者の経済的な状況等に変化がある場合)には,「客観的事情の変更があるなど,既に定めた養育費等を変更すべき場合の養育費等の算定に当たっては,本研究の提案した改定標準方式・算定表を用いることが期待される。」と述べているように,新算定表の考え方で算定するべきと考えている旨を説明しています。

 

※問題Ⅱ

なお,養育費の支払時期(終期)は,審判や裁判の決定・判決の場合,子の「満20歳に達する日の属する月まで」とされることが原則ですが,民法改正(2022年4月1日)で成人年齢(=親権が終了する)が18歳に引き下げられるため,審判や裁判の判決では終期が満18歳に達する日の属する月まで」と変更されるのか否か(※ただし,合意により定める場合は民法に拘束されません)も,養育費に関する問題でした。

また,既に決まっている養育費等の終期が変更されるか(18歳に終期を前倒しにする),更には,支払の終期は「20歳」ではなく「成年に達する日の属する月まで」等「成年」と表記されている場合,「成年」とは20歳か18歳かどちらと解すべきかもも問題でした。

⇒「成年年齢引下げによる影響(養育費の支払義務の終期等)」として「養育費の支払義務の終期は未成熟子を脱する時期であって,個別の事案に応じて認定判断される。」とした上で,「未成熟子を脱する時期が特定して認定されない事案については,未成熟子を脱するのは20歳となる時点とされ,その時点が養育費の支払義務の終期と判断されることになると考える。」とされています。「婚姻費用についても,子が18歳に達したことが直ちに婚姻費用の減額事由に該当するとはいえない。」とされています。

また,「改正法の成立又は施行自体は,当事者間の協議,家事調停,和解,家事審判及び離婚判決において,既に合意や裁判により満20歳に達する日までなどと定められた養育費の支払義務の終期を18歳に変更すべき事由にはならない。」とされています。「改正法の成立又は施行前に養育費の終期として「成年」に達する日までなどと定められた協議書,家事調停調書及び和解調書等における「成年」の言葉は,基本的に20歳と解するのが相当である。」とされています。

それに対し,法律で成年年齢が変更される一方で,今回のような方法,手続で実質的に全国一律に有無を言わさず裁判や審判,場合によっては調停においても,この考え方に拘束される結果となることに問題はないわけではないと解する余地はあると思われます。

※問題点Ⅲ

「債務者の財産状況の調査に関する制度の実効性を向上」させる民事執行法が改正され,遅くとも2020年5月17日までに施行(公布日から1年以内に施行)されます。

具体的には,債権者(養育費等を請求できる側)が裁判所に申し立てれば,裁判所が債務者(養育費等の支払義務を負う側)に関する(Ⅰ)金融機関から①預貯金債権や②上場株式,国債等に関する情報を取得,(Ⅱ)登記所から,③土地・建物に関する情報を取得,(Ⅲ)市町村,日本年金機構等から,④給与債権(勤務先)に関する情報を取得(給与債権に関する情報取得手続は,養育費等の債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者のみが申立て可能)し,それらの情報を債権者に通知する等というものです。⇒詳細はこちら

公益社団法人家庭問題情報センターの厚生労働省委託事業として養育費相談支援センターが,「養育費確保の推進に関する制度的諸問題平成23年度養育費の確保に関する制度問題研究会報告―」 を作成,公表されていますが多くの事例で養育費を支払ってもらえない・確保できないとの状況であることが問題視されてきました。

これまでは,債務者の預貯金等の情報は「個人情報」のため同意がないと開示されないことがほとんどで,どこに勤務しているのか・どこにどのような不動産を保有しているのか等の情報は現実的には調べられないことがほとんどでした。そのため,差押え等で強制的に回収する(支払わせる)ことは困難を極めました。特に,養育費の不払い問題による貧困化が報道され続けてきました。

⇒民事執行法の改正で格段に養育費等の強制的回収が容易になります。


※問題点Ⅳ

 新算定表(最高裁)が発表された時点以降,家庭裁判所での調停,審判,裁判においては旧算定表は使われなくなり新算定表(最高裁)のみが算定の基礎(基本)として使われることが推測されます。しかし,新算定表(最高裁)は,最高裁の司法研修所(埼玉県和光市:法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)を養成等するための施設,組織)が作成したものです。しかも,法令によるものではなくその内容が適切か否かについて広く議論を行ってはいません。離婚後,別居時の長期間係属する生活の維持,経済的負担という非常に重要な事項でありながら,法令によらずに決定して良いのか,裁判官・裁判所が法令に基づかず事実上強制的に参考指標としなければならないのはおかしいのではないかという意見もあります。

審判の決定や訴訟の判決は「その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」(憲法76条3項)とされる裁判官が行うものである以上,2019年(令和元年)12月23日を境にこのような経緯・方法で作成された新算定表(最高裁)に従う(事実上相当程度以上拘束される)ことになるのはおかしいのではないかとの指摘も存在します。

 

<参考:日弁連の新算定表>

旧算定表には問題があるとして,全弁護士が加入する(法律上加入しなければ弁護士として業務ができません=強制加入)日本弁護士連合会(日弁連)は,2012年3月に「『養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表』に対する意見書」 を取りまとめました。

同意見書の内容を具体化して,2016(平成28)年11月15日付けで「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」を取りまとめ、同年11月29日付けで最高裁判所長官、厚生労働大臣及び法務大臣に提出されました。

新算定方式・新算定表は、生活保持義務の理念に照らし、現算定方式・現算定表を修正したものです。

主な修正点は以下2点です。

1 総収入から算出する可処分所得(基礎収入)を見直しました。具体的には、総収入から特別経費として控除していた住居費等を一律には控除せずに可処分所得に含めたほか、最新の税率や統計資料を用いるなどしました。
2 算定のための指標となる生活費指数を、世帯人数や年齢に応じてきめ細かに区分して算出しました。これに伴い、算定表は19表から39表となりました。

 

新算定表(日弁連)はあくまで,日弁連がとりまとめた「提言」であり,最高裁判所長官、厚生労働大臣及び法務大臣に提出したものです。その前提として日弁連は、2012年3月に「『養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表』に対する意見書」 を取りまとめ同意見書を具体化したのかその「提言」なのです。そもそもその「提言」は日弁連の一部の方が作成したものであり,弁護士をする上で強制的に加入させられる団体(強制加入団体)である日弁連の会員の総意又は多数決によって承認されたものでもありません。

現実的には,家庭裁判所等での司法実務における利用はほとんどなされてきませんでした。⇒今回の公表内容を見ても同様です。

 

以上のように,養育費・婚姻費用(婚費)の決定,特に新算定表(最高裁)の公表による影響や実効性の変化は大きく今後注目が必要です。

他にもいろいろな問題,解決のためのノウハウがあります。詳細はあすか総合法律事務所へご相談・ご依頼ください!

離婚するかしないか・するとしてどのような条件で離婚するか・いつするか・主張や要求をどのように立証し有利にするか・離婚が成立するまでの間の経済的な対処等本質的で重要な問題があり弁護士等専門家の支援が効果的な場合は少なくはありません。

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