道路(共有・私道:開発道路等)やそれに関連する問題

道路(共有・私道:開発道路等)やそれに関連する問題

いわゆる開発道路等の私道(共有等)やそれに関連するもの(排水管等)に関して工事をする場面などで色々な問題が発生しています。これは,いわゆる分譲地,団地と呼ばれる一段として開発された宅地に関するものでその同意をどのようにするかが中心です。

 

問題の例

①道路に生じた陥没等の不具合に関する処置をする場合

②一部又は全面の再舗装をする場合

③側溝再設置をする場合

④道路の下の給水管・下水管・排水設備・ガス管に関する工事をする場合

④道路上の電柱を取替え新設をする場合

                                       etc

 

問題の所在

いわゆる団地などの「開発」として,ある程度広い土地をいくつかに分割して,土地や建物を合わせた分譲(建売)をする際,区画内に「道路」部分を設定し通行・進入ができるように,法定の接道要件(建築基準法)を満たすように計画,実施されることが通常です。

その際,道路の所有形態を「私有」としている場合,前記問題の例で示すような行為をする場合に,同意をどのようにするかに関して問題生じる場合が発生しています。

 

生活道路であったのに突然通行ができなくなり困る事案(京都市右京区の京都学園中学・高校が所有する私道だった土地を通行できなくなり地域の住民が困り,裁判で争われている件(平成30年2月現在))等も生じています。

 

法務省の「共有私道の保存・管理等に関する事例研究会」は,平成30年1月ガイドラインを作成公表し「最終とりまとめ」も公表しました。

 

その中で「本ガイドラインにより,共有私道の法律関係と工事に当たっての対処方法は相当程度明らかに」「共有地の保存・管理,財産管理制度の在り方等の所有者不明土地問題に関わる民事基本法制上の諸課題については,更に要検討」とされ「関係省庁が連携して,迅速かつ適正な対策を講じる必要」とされています。


 

 

共有物に関する民法の規定では,各共有者は持分に応じて共有物の全部について使用することができる(民法249条)とされますが,①共有物の現状を維持する等の保存行為は各共有者が単独で可能(民法252条ただし書き),②共有物の性質を変えない範囲での利用・改良行為(管理)は各共有者の持分価格に従い,その過半数で決する(民法252条本文),③共有物を物理的に改変,処分する行為(変更・処分)は,共有者全員の同意が必要(民法251条)と規定されています。

 

また,私道に関し,同私道を通行しなければ利用できない土地の開発(農地を転用し宅地とする場合等)に際して,同私道の所有者(単独所有・共有に限らず)の同意を得ることに関する問題も発生し得ます。

 

開発道路:一定規模以上,内容のいわゆる開発行為を行う場合,都市計画法(※1)に基づく開発許可を得ること必要となります。開発許可の条件(公共施設の一部)として規定に従って設置された「道路」は建築基準法(42条1項2号)(※2)の「開発道路」(つまり,開発許可を得た開発区域内の道路のこと。正式な法令上の用語ではなく,通称名。幅員や構造上の条件もあります。 )と呼ばれます。

 

開発道路は,要件を満たせば市町村へ管理が引き継がれ公道(市町村道)となり,開発した業者や元の所有者や分譲を受けた者ら私人がそのまま管理をする場合で要件(法文:「別段の定め」)に従えば私道(いわゆる開発道路)となります(都市計画法32条,39条)。

 

位置指定道路:建築基準法42条1項5号が規定するもので,私的に道路を建設し,それを市町村等の特定行政庁に道路として認定してもらう(接道要件(建築基準法43条1項)を満たす目的など)等の趣旨です。

 


 

※1:都市計画法が既定する,許可を要する「開発行為」には,「主として建築物の建築又は特定工作物の建設に関する目的で行う土地の区画形質の変更」「都市計画区域内 3,000㎡以上の開発行為・都市計画区域外 10,000㎡以上の開発行為」(同法29条)などの条件,規定が定められています。


※2:建築基準法第42条第1項第2号の道路
都市計画法、土地区画整理法(昭和29年法律第119号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号)、都市再開発法、新都市基盤整備法(昭和47年法律第86号)又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)による道路


※3:道路(建築基準法第42条で認められる)の種類,条件(以下法令は建築基準法)

① 道路法による道路(第42条1項1号)
国道,都道府県道,市町村道,区道。いわゆる公道。

建築基準法第42条第1項第2号の道路(前記※2)

③ 既存道路(第42条1項3号)

建築基準法の施行時点(昭和25年11月23日)で既に存在した幅員が4m以上の道路等。

④ 都市計画法等により2年以内に造られる予定の道路(第42条1項4号)

⑤特定の法律に基づき,新設又は変更の事業が2年以内に執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものは現に道路が存在しなくても道路が存在するものとみなす。

⑥位置指定道路(第42条1項5号) 前記参照

⑦建築基準法の施行時点(昭和25年11月23日)で既に存在した幅員4m未満の道路(第42条2項)(いわゆる「42条2項道路」または「2項道路」、あるいは「みなし道路」)

 

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